ハスキーと暮らすうえで、日常的なブラッシングは大切なお手入れの一つです。
しかし、いざお手入れ用品を探してみると、スリッカーやファーミネーターなどさまざまな種類があり、どれを選べばよいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
同じような形に見える商品でも、それぞれ得意なことや役割が異なります。
この記事では、ハスキーのお手入れに使う道具を「日常用」「換毛期用」「仕上げ用」の3つの用途に整理して紹介します。
最後までお読みいただくと、ハスキーの被毛にどの種類の道具が必要で、同じ用途の商品のなかから自分は何を重視して選べばよいのかが分かり、ご自身の状況に合う候補を絞り込めるようになります。
ブラシを選ぶ前に、ハスキーの抜け毛がどれくらい多いのかを確認したい方は、「ハスキーの抜け毛の量や換毛期」も参考にしてください。

ハスキーのブラシは3つの用途で使い分けよう
ハスキーは、密なアンダーコート(下毛)と、外側を覆うトップコート(上毛)を持つダブルコートの犬種です。

そのため、1本の道具だけで被毛の表面を整え、さらに奥の抜け毛まで処理しようとするよりも、用途に合わせて道具を分けた方がスムーズにお手入れできます。
アメリカンケネルクラブ(AKC)でも、ダブルコートの犬にはスリッカーブラシなどを使い、抜け毛が増える時期にはアンダーコート用の道具を取り入れる方法が紹介されています。
具体的には、以下の3つの役割で考えます。
- 日常用ブラシ:普段の抜け毛や毛並み、軽いもつれを整える
- 換毛期用ブラシ:抜けかけた密なアンダーコートを重点的に取り除く
- 仕上げ用コーム:お手入れの最後に、残ったもつれや抜け毛を確認する

これから道具をそろえる場合は、これらを一度にすべて買う必要はありません。
まずは基本となる日常用ブラシを用意し、換毛期の抜け毛が気になってきたら専用の道具を追加する、という順番で考えると無駄なく選ぶことができます。
抜け毛を室内でどう管理するかまで知りたい場合は、「ハスキーの抜け毛対策」でブラッシングと掃除の考え方を確認できます。

夏に向けて被毛を短くするか迷っている場合は、「ハスキーのサマーカットの考え方」で、ダブルコートの役割と夏のお手入れ方法も確認しておきましょう。

ハスキーの日常ケアにおすすめのブラシ3選
最初に取り入れるべき日常用の道具には、スリッカーブラシやピンブラシなどがあります。
本記事では、普段の抜け毛や軽いもつれを整え、被毛内部まで確認しながらケアすることを目的とし、比較条件をそろえるためスリッカーブラシ3商品に絞って紹介します。
AKCでもスリッカーブラシはダブルコート内部の抜け毛を取り除く用途として紹介されています。
ここでは、ハスキーの密な被毛に使いやすい3つの商品について、それぞれどのようなポイントを重視する人に向いているかを解説します。
密な被毛への通りやすさを重視する人向け
密な被毛への通りやすさを優先するなら、「Chris Christensen Big K Slicker Brush」が候補になります。
メーカーが厚く密な被毛向けとして設計している本格的なスリッカーブラシです。
長いピンとカーブしたヘッドが特徴です。
また、同メーカーのBig Gシリーズと比較してピンの密度を低くし、厚い被毛へ入りやすい設計として案内されています。
価格帯は高めになりますが、被毛へのアプローチしやすさを何より重視したい場合に適しています。
使用する際は力を入れて引っ張るのではなく、長いピンを活かしてやさしくとかすように扱います。
価格と使いやすさのバランスを重視する人向け
初めての1本として、導入しやすさと使い勝手のバランスを取りたい方には「Add.Mate プロフェッショナルスリッカーブラシL」が向いています。
国内メーカーが販売しており、大型犬にも扱いやすいLサイズが用意されています。
持ち手が長めに設計されているため、体全体をブラッシングする際にも動かしやすいのが強みです。
被毛の奥まで届くピンには国産のステンレス(SUS304)が使われ、先端は皮膚への当たりを考慮して丸く加工されています。
普段使いとして必要な機能がバランスよくまとまっています。
ブラッシングだけでなく、臭いが気になるときにシャンプーすべきか迷う場合は、「ハスキーの臭いとシャンプーの判断基準」も確認してください。

ピンの当たりのやさしさを重視する人向け
ピンが皮膚に当たるときの感触や、クッション性を意識して選びたい場合は「Petio FIXCARE ソフトスリッカーブラシM」が選択肢となります。
毛の奥まで入り込む細長い先丸ステンレスピンと、ピンにかかる力を分散するエアークッションを備えているのが特徴です。
ピンの当たり方やクッション性を重視したい場合に候補になります。
持ちやすい長いハンドルもついているため、日常ケアをスムーズに進められます。
購入時はハスキーの体格に合うサイズかどうかを確認し、使用時はクッションに頼りすぎず、強く押し付けないよう注意してください。
換毛期におすすめのアンダーコート用ブラシ3選
年に2回ほど訪れる換毛期には、アンダーコートがごっそりと抜け落ちます。
この時期は日常用スリッカーだけでは処理しきれないため、抜けかけたアンダーコートを取り除くことに特化した道具を追加するのが効果的です。
換毛期用の道具にもいくつか種類があるため、自分が何を重視して使いたいかによって選び分けます。

トップコートを残しながら抜け毛を取りたい人向け
トップコートを切らずに抜けたアンダーコートを除去する設計を重視したい方には「FURminator Undercoat deShedding Tool(ファーミネーター)」が候補になります。
抜けかけたアンダーコートの除去に特化した、デシェディングツールと呼ばれる代表的な商品です。
メーカーの説明では、正しく使用した場合にトップコートを切らず、抜けたアンダーコートを除去する設計として案内されています。
取り除いた毛をワンプッシュで外せる機構も備わっており、大量の抜け毛を処理する際の手間を軽減できます。
購入時は愛犬のサイズと被毛長に合うモデルを確認し、使用時は強く押し付けたり、同じ場所を繰り返しこすったりしないよう注意してください。
また、日常用ブラシの完全な代用品にはならないため、普段のお手入れとは分けて活用してください。
使用後の掃除や保管のしやすさを重視する人向け
抜け毛をしっかり取るだけでなく、使い終わった後の扱いやすさを優先したい場合は「Petio FIXCARE ロックボタン式抜け毛除去ブラシ」が候補です。
体に沿いやすいカーブした二段刃を採用しており、メーカーでも明確に抜け毛除去用途として分類されています。
最大の特徴は、使用後に刃についた毛を外しやすい構造と、刃の部分をヘッド内に収納できるロックボタンがついている点です。
刃をヘッド内へ収納できるため、保管時の扱いやすさを重視する方に向いています。
刃がついた道具なので、力を入れてこすったりせず、皮膚の状態を見ながら慎重に使用してください。
密なアンダーコートを段階的にとかしたい人向け
刃がついたツールではなく、とかしながら段階的に抜け毛へアプローチしたい方には、レーキ型の「Safari Double Row Undercoat Rake」が向いています。
厚く密なダブルコート向けに設計された商品で、丸みのある先端を持つ長さの異なる2列のピンが、密なアンダーコートへ入り込む設計です。
刃型のデシェディングツールとは異なり、密な下毛を段階的にとかしながらケアしたい場合に候補になります。
使用時は無理にもつれを引っ張らないように注意が必要です。
仕上げ確認におすすめのコーム
コーム(くし)は、抜け毛を大量に取り除くための主役の道具ではありません。
日常用や換毛期用のブラシをひと通り使った後に、もつれが残っていないか、引っかかる部分がないかを確認する目的で使用します。
きれいに仕上げたい場合に持っておくと便利なアイテムです。
もつれや残った抜け毛を細かく確認したい人向け
お手入れの最後に、全体から細部までしっかりと確認したい方には「Petio FIXCARE 粗目細目ダブルコーム」が便利です。
1本のコームに約1cmの間隔で「粗目」と「細目」が備わっている一体型のタイプです。
長い先丸ピンが採用されており、持ち手は握りやすい三角型になっています。
まずは粗目で全体をざっと通し、その後に細目でより細かく確認する、という手順が1本で完結するため、初心者でも用途が分かりやすいのが強みです。
もしコームが引っかかった場合は無理に引かず、一度スリッカーなどに戻ってもつれを整えてください。
長毛のハスキーにも使用できるコームですが、抜け毛除去用ではなく、ブラッシング後の仕上げ確認用としてご利用ください。
ハスキーのブラシの基本的なかけ方

自分に合った道具を選んだら、次はその道具を安全に使う方法を知っておくことが大切です。
スリッカーやアンダーコート用ツール、コームはそれぞれ使い方のコツが異なります。
ここでは購入後に迷わないよう、用途別の基本的な動かし方を解説します。
日常用ブラシのかけ方
スリッカーブラシなどの日常用ブラシは、毛流れに沿って少しずつ動かすのが基本です。
表面の被毛だけをなでるのではなく、被毛をかき分けて内部の抜け毛や皮膚の状態も確認しながら進めます。
AKCでも、トップコートだけでなくアンダーコートにもブラシを通すことが推奨されています。
スリッカーブラシはピンが細いため、皮膚へ強く押し付けると痛みを与えてしまいます。
手首の力を抜き、やさしくとかすことを意識してください。
換毛期用ブラシのかけ方
換毛期用のデシェディングツールやコートレーキも、毛流れに沿って動かします。
一度に大量の毛を取ろうとせず、抜けかけたアンダーコートを少しずつ取り除くイメージで使用します。
刃がついているツールは特に皮膚への負担がかかりやすいため、絶対に強く押し付けないでください。
また、同じ場所を何度も往復しすぎると被毛や皮膚を傷める原因になります。
体全体をまんべんなくお手入れするようにしましょう。
仕上げ用コームの使い方
コームは、ブラッシングのすべての工程が終わった後に通します。
毛流れに沿って、根元から毛先に向かってゆっくりとすべらせます。
粗目と細目が一体になっているコームの場合は、まず粗目で全体を確認し、問題なく通るようになったら細目で最終チェックをします。
途中で引っかかった場合、そのまま力を入れて無理に引っ張ってはいけません。
引っかかりを見つけたらコームを外し、スリッカーブラシに戻って少しずつもつれをほどいてください。
ハスキーをブラッシングするときの順番

複数の道具を用意した場合、どの順番で使えばよいか迷うかもしれません。
基本的なお手入れの流れは、以下の順番をイメージするとスムーズです。
- 日常用ブラシ(スリッカー)で全体を整え、もつれをほどく
- 必要に応じて換毛期用ツールでアンダーコートを取り除く
- 最後にコームを通して引っかかりがないか確認する
ただし、毎回必ずこの3工程をすべてやらなければならないわけではありません。
抜け毛が少ない通常時であれば、日常用ブラシだけで済む場合もあります。
仕上げを丁寧に確認したいときは、最後にコームを追加します。
その時の抜け毛の量や被毛の状態に合わせて使い分けてください。
ブラッシングする頻度はどれくらい?

ブラッシングの頻度は、通常時と換毛期で考え方を変えるのがおすすめです。
AKCでは、ハスキーのお手入れとして週に1回程度のブラッシングを基本として紹介しています。通常時はこのペースを目安に、被毛の状態を定期的に見ながらお手入れをしてあげましょう。
一方で、年に2回ある換毛期には抜け毛の量が急激に増えます。
換毛期は抜け毛の量が増えるため、被毛の状態を見ながらブラッシングの頻度を増やします。
「毎日必ずやらなければならない」と固定回数にする必要はありません。
犬が嫌がっているのに長時間続けることは避け、様子を見ながら調整してください。
子犬はブラッシングに少しずつ慣らそう
子犬の時期からお手入れを始める場合は、道具選びよりもまずブラッシングそのものに慣れてもらうことが優先です。
いきなり成犬と同じように全身をブラッシングするのではなく、まずはやさしい感触の柔らかいブラシを使い、ごく短い時間からスタートします。
無理強いをしてお手入れ自体を嫌いになってしまうと、体が大きくなってから苦労することになります。
無理強いせず、やさしいブラシを使って短時間から少しずつ慣らしていきましょう。
子犬期のお手入れに無理なく慣らす考え方は、「子犬期の社会化と家庭生活への慣らし方」も参考になります。

ブラッシングするときの注意点
どの道具を使う場合でも、皮膚への刺激や使いすぎを避けるための注意が必要です。
ブラシを皮膚に強く押し付けたり、同じ場所を何度も繰り返しこすったりしないように気をつけましょう。毛玉や強いもつれがある箇所を無理に引っ張ると、犬に痛みを与えてしまいます。
もし犬が痛がったり嫌がったりする素振りを見せたら、いったん作業をやめて落ち着かせてください。 また、皮膚に赤みや傷がある場所にはブラシを当てないようにします。
道具によってはメーカー指定の使い方や禁止事項があるため、使用前に必ず説明書を確認しましょう。
皮膚に違和感がある場合は自己判断で無理に続けず、必要に応じて獣医師へ相談してください。
ブラシの交換時期は状態を見て判断する
ブラシを買い替えるタイミングは、「何ヶ月使ったから」という一律の期間ではなく、道具の状態を見て判断します。
たとえば、スリッカーのピンが大きく曲がったり欠けたりしている場合や、ピンの先端の加工が傷んできた場合は交換のサインです。
換毛期用ツールの刃が破損したり、ハンドルやヘッド部分がぐらついたりしている場合も、そのまま使い続けると危険です。
安全にお手入れできない状態になったと感じたら、早めに新しいものへの交換を検討してください。
目的に合ったブラシからそろえよう
ハスキーのお手入れに使うブラシは、1本ですべてをこなそうとせず、役割ごとに分けて選ぶことが失敗しないポイントです。
まずは普段のお手入れの基本となる「日常用」から、自分が重視したい条件(通りやすさ、バランス、やさしさ)に合わせて商品を選んでみましょう。
そのうえで、換毛期の抜け毛対策を強化したければ「換毛期用」を追加し、最後の確認をより丁寧にしたい場合は「仕上げ用コーム」を取り入れる、という順番で考えると必要なものが整理できます。
ご自身の状況に必要な用途が決まったら、各商品の詳細やサイズ、価格を確認し、愛犬にぴったりの道具を見つけてあげてください。
ブラシ以外のケージ・クレート・散歩用品までまとめて準備したい方は、「ハスキーを迎える前に必要なもの」も確認しておくと安心です。


